令和8年度税制改正大綱が2025年12月26日に公表されました。
本記事では、「インボイス制度」と「電子帳簿保存法」に関連する内容を中心に、変更点と「楽楽精算」における設定の対応ポイントをご案内します。
注意
本記事は、現時点で公表されている税制改正大綱に基づき作成しております。
大綱は改正の指針であり、今後の動向により時期や内容が変更となる可能性があるためご留意ください。
インボイス制度への影響
経過措置「70%控除」への引き下げ
当初の予定では、2026年10月より「50%控除」へ大幅に引き下げられる見込みでしたが、今回の改正により「70%控除」へと引き下げ幅を緩和する方針が示されました。
また、経過措置全体の期限も2年延長される見通しです。
※2026年10月に控除率が変更となるスケジュール自体に変わりはない見込みです。
【Before】
・2026年9月まで:80%控除
・2026年10月1日 〜:50%控除
・2029年10月1日 〜:廃止(0%控除)

【After】
・2026年9月まで:80%控除(現行通り)
・2026年10月1日 〜:70%控除(当初の50%から緩和)
・2028年10月1日 〜:50%控除
・2030年10月1日 〜:30%控除
・2031年10月1日 〜:廃止(0%控除)

「楽楽精算」にて設定変更が必要なケース
2026年10月の切り替えに向けて「50%控除」の準備をされていた場合、「70%控除」へ設定を修正する必要があります。
具体的には、会計ソフトにて税区分コードによって消費税額を集計しており、経過措置の割合ごとに税区分コードが分かれている場合、設定変更が必要です。
切り替え時期自体は変動はない見込みですので、施行日に合わせた設定変更準備をお願いいたします。
【例】
・101 課税対仕入10%
・102 課税対仕入※8%軽
・103 課税対仕入10% 経過80
・104 課税対仕入※8%軽 経過80
・105 課税対仕入10% 経過50
・106 課税対仕入※8%軽 経過50
補足
設定変更が不要なケース
会計ソフトにて税区分コードによって消費税額を集計していても、経過措置の割合ごとにはコードが分かれておらず、「免税」というコード情報のみで消費税額を集計できる場合は対応不要となる見込みです。
【例】
・101 課税対仕入
・102 課税対仕入※軽
・103 課税対仕入 免税
・104 課税対仕入※軽 免税
設定変更が必要な事項は、お客様の運用パターンにより対応が異なります。
自社の設定内容を改めてご確認いただき、修正の要否をご検討ください。
【運用パターン別の対応内容】
- パターンA:会計ソフトが税区分で判別する(「楽楽精算」は各マスタに登録)
70%控除用の 「税区分マスタ」を追加登録し、「交通機関マスタ」や「内訳マスタ」に紐づく税区分マスタの更新/追加が必要となる見込みです。 - パターンB:会計ソフトが税区分で判別する(「楽楽精算」は仕訳の計算式で対応)
「仕訳データ出力の設定」にて設定している計算式(IF文など)の修正が必要です。出力する税区分コードを「80%用」から「70%用」へ修正いただく形となります。 - パターンC:会計ソフトが請求書区分などのフラグで判別する
原則として「楽楽精算」側の設定変更は不要の想定です。
設定パターンの詳細は、適格請求書発行事業者との取引判別方法の検討をご確認ください。
注意
-
70%控除用の税区分コード追加の対応方針については、ご利用の会計ソフトの対応方針をご確認ください。
-
連携する会計ソフト側での受入仕様(フラグの定義、コード、CSVレイアウトなど)に変更が生じる場合は、それに合わせた出力設定の修正が必要になる可能性があります。
電子帳簿保存法への影響
電子帳簿保存法の保存要件(タイムスタンプ・検索要件など)に関する変更はありません。
個人事業主の青色申告特別控除における要件の厳格化などの動きがあります。
法人実務においても、引き続き「電子帳簿保存法オプション」を適切に活用し、証憑保存の運用を徹底いただくことが重要です。
その他
福利厚生費(食事代・通勤手当)の拡充
従業員の所得税が非課税となる「食事代」および「通勤手当」の基準を緩和する方針が示されました。2026年4月1日以後に支給されるものから適用される見込みです。
- 食事代:
①従業員の所得税が非課税となる、会社負担の食事代の上限額が、月額3,500円から7,500円へ引き上げられます。
※「従業員が食事代の半分以上を負担している」基本ルールは継続される予定です。
②深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて、金銭を支給する場合の会社負担の上限額が、1回300円から650円へ引き上げられます。
- 通勤手当: 所得税が非課税となる限度額について、片道65km以上の遠距離区分が細分化され、上限が引き上げられる方針です。また、駐車場などを利用する場合、通常の非課税限度額に月額5,000円を加算できる措置が新設されます。
「楽楽精算」にて設定変更が必要なケース
- 食事代への対応:
金額に応じた「承認フローの設定」や「申請ルールの設定」「仕訳データの出力設定」 などを行っている場合は、新たな基準に合わせた設定変更の検討をお願いします。
設定手順の詳細は、以下の記事をご確認ください。
- 駐車場代の対応:
「交通機関マスタ」への駐車場項目の追加などを必要に応じてご検討ください。
中小企業者などの少額減価償却資産の基準変更
中小企業者などの即時償却できる上限額が30万円未満から40万円未満へ引き上げられる方針が示されました。
※あわせて、対象企業の要件(常時使用する従業員数)が「500人以下」から「400人以下」へ変更される見通しです。
「楽楽精算」にて設定変更が必要なケース
備品購入などの申請において、金額に基づいた分岐や固定資産化の判定チェックなどを「承認フローの設定」や「申請ルールの設定」、「仕訳データの出力設定」にて運用している場合は、新たな基準に合わせた設定変更が必要になる可能性があります。設定手順の詳細は、以下の記事をご確認ください。
ご案内は以上です。
本記事が税制改正大綱の内容を理解する上で、少しでも参考になれば幸いです。
(記事ID:5158)